「客先常駐がもう限界」で社内SEを検索していませんか
毎月違う現場、毎回イチから覚え直す社内ルール、指揮命令系統がねじれた中での板挟み――SESで数年働くと、こういう疲れ方をする人は珍しくありません。「自社のプロダクトに腰を据えて向き合いたい」「定時で帰れる環境で家庭やスキルアップの時間を確保したい」という理由で、社内SE(情報システム部門のエンジニア)を検索窓に打ち込んだ、というのが正直なところではないでしょうか。
この記事ではバックエンドエンジニア歴5年以上の筆者が、SESや客先常駐から社内SEへ移った人・移ろうとして失敗した人の傾向を踏まえて、きれいごと抜きで転職の進め方を解説します。
結論:社内SEはこんな人に向いている(向いていない)
先に結論です。以下に当てはまる人は社内SEとの相性が良い傾向にあります。
・技術力を極めるより「安定した環境で長く働きたい」人
・客先常駐特有の「毎回違う現場に馴染み直すストレス」から抜けたい人
・実務経験2〜3年以上あり、要件定義や運用保守の経験がある人(未経験でもヘルプデスク経由なら可能)
・年収より働き方・裁量・安定を優先したい人
逆に、最新技術をガンガン触りたい、大規模開発でエンジニアとして市場価値を上げたいという人には社内SEは物足りなく感じやすいです。この記事はあくまで「安定と裁量」を取りに行きたい人向けの内容だと理解した上で読み進めてください。
社内SEの実態をエンジニア目線で正直に評価
良い点:裁量と生活の安定
社内SEの平均年収はおよそ614万円で、全職種平均(478万円程度)より高い水準というデータがあります。特に上流工程(要件定義・ベンダーマネジメント・情シス部門のリーダー)を任されるポジションでは年収はさらに伸びます。何より客先常駐と違い「同じ会社・同じメンバーで長期的にプロダクトや業務システムに関わり続けられる」ことが最大の魅力です。エンジニアとして、自分が改善した仕組みが翌年も同じ会社で使われ続ける手応えは、SESではなかなか得られません。
正直微妙な点:技術が伸びにくい会社がある
ここは他サイトがあまり書かない部分ですが、社内SEは会社によって「技術のアップデートがほぼ止まる」ケースがあります。既存システムの運用保守やヘルプデスク対応が業務の中心になり、最新の開発案件に触れる機会が少ない会社も一定数存在します。技術力を武器にキャリアを伸ばしたいエンジニアが、市場価値が上がらないまま数年を過ごしてしまう、という失敗パターンは実際にあります。応募前に「情シス部門が単なる社内ヘルプデスクなのか、DX推進や内製開発を担う部署なのか」を見極める必要があります。
SES・自社開発と比較してどうか
| 項目 | SES(客先常駐) | 社内SE | 自社開発企業 |
|---|---|---|---|
| 働く場所 | 案件先を転々 | 自社に固定 | 自社に固定 |
| 技術の最新度 | 案件次第でばらつき大 | 会社次第(低めな場合も) | 高い傾向 |
| 働き方の安定 | 現場次第で不安定 | 安定しやすい | 会社次第 |
| 年収の伸びしろ | 単価交渉に依存 | 上流工程で伸びる | 事業成長に依存 |
「安定」を取るなら社内SE、「技術力での市場価値」を取るなら自社開発企業、というのが実態に近い整理です。
登録前に知っておくべきこと・転職成功のコツ
SESから社内SEを目指す場合、実際に成功している人がやっているのは次の3つです。
①スキルの棚卸しを先にやる:要件定義、ベンダー折衝、社内向けシステムの改修経験など、「客先常駐でも実は身についていた地味な経験」を職務経歴書に言語化する。単なる「〇〇言語を使った開発経験」ではなく「業務要件をヒアリングして仕様に落とした経験」を強調すると評価されやすい傾向にあります。
②面談で「情シスの立ち位置」を必ず確認する:転職エージェントの担当者に「その会社の情シス部門は開発寄りか、運用・ヘルプデスク寄りか」を具体的に聞くこと。ここを曖昧にしたまま入社すると、前述の「技術が伸びない」ミスマッチが起こりやすいです。
③未経験に近い場合はヘルプデスク経由も検討する:実務経験が浅い場合、いきなり社内SEの求人に応募するより、ヘルプデスクや社内ITサポートで1〜2年経験を積んでからステップアップする方が結果的に近道になるケースがあります。
また、20代であれば未経験に近い状態でもポテンシャル採用の枠がありますが、30代以降は「即戦力として何ができるか」を具体的に語れないと選考が厳しくなる点は正直に伝えておきます。
まとめ
社内SEへの転職は、SESの客先常駐で消耗している人にとって有力な選択肢です。ただし「安定はあるが技術は伸びにくい会社もある」という現実は踏まえた上で、情シス部門の実態を面談段階で見極めることが失敗しないための最重要ポイントです。まずは社内SEの求人を豊富に持つ専門エージェントに相談し、自分の経験がどう評価されるか棚卸しすることから始めてみてください。


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